インドネシア:産業国有主義が強まっている

08 April 2019

原文: RESOURCE NATIONALISM IS SET TO INCREASE IN INDONESIA

2019年4月の総選挙において、ジョコ・ウィドド大統領が二期目の当選を果たすと見られている。インドネシアの経済成長は比較的安定しているが、対外債務の割合が比較的高いことから世界的な流動性のタイト化に曝される状況を助長させている。選挙に先立って、地場企業が外国の競合会社に対して優先的な待遇を受けるリスクが高まっている。

安全保障環境

市民不安のリスクは、ウィドド氏や彼の対立候補である国家主義者の元陸軍中将プラボウォ・スビアントがアイデンティティ政治に抗議を行うことで高まるだろう。抗議の殆どはジャカルタで行われるとみられるが、商業的な活動がとりわけ標的となるとは見られない。穏やかではあるが、労働者ストライキによる貨物輸送の混乱のリスクがあり、高速道路が封鎖される可能性がある。

20178月、ジャカルタ国際コンテナターミナルの600名以上の従業員が72時間以上に渡るストライキを行い、タンジュンプリオク港が一時的に封鎖となった。

テロの脅威は元イスラム国軍がジャカルタに戻ったことによって近年高まっているが、実際の攻撃能力はそれほど高まっていない。イスラム国に関連する数名が、20175月に3名の警察官が犠牲となった爆破事件と約30名が亡くなった20185月のスラバヤでの自爆テロを行った容疑をかけられている。

しかし、インドネシアは国家のサイバーセキュリティ機関の設立とテロ防止法の強化によって安全保障対策を増進させた。

貿易環境

2018年と2019年の実質GDP成長率は5%前後で比較的安定すると予測されているが、インドネシア経済の潜在成長力は逆風の拡大によって制限されるだろう。米国の金利上昇、国際貿易における緊張およびインドネシアの資本流入への依存が通貨ルピアのパフォーマンスを低下させており、USドルに対して年初来7%以上の価値の低下をもたらした。

中央銀行はルピア防衛の意思を示しており、20185月以降標準金利を175ベーシスポイント(1.75%)引き上げた。通貨を維持するため、インドネシアは1000品目にかかる輸入関税を引き上げ、新たな景気刺激政策を発表し、外国為替市場に介入した。

20181月から9月の間、外貨準備高は15%近く下落したが、それでも現在の対外支払額の5.4ヶ月分を備えており、まだ十分である。ルピアは自由に交換可能であり、実施中の資本規制はない。

インドネシアの政府債務残高GDP比は31%と適度であり、この先数年で徐々に減少すると予測されている。政府歳入が不十分であることにより資本支出が制限されているが、インドネシアはGDP3%を上限に設定している財政赤字予算を忠実に守り続けるだろう。公共支出に関してさらに精査することにより、財政赤字は2018年に2.3%、2019年には2.1%へ徐々に縮小されると予想されており、これによってGDP成長率は制限されるが債務負担によるルピアの価格下落の影響は和らげられるだろう。

一般政府負債の約40%が外貨建てで占められており、同程度の政府株が外国で保有されていることから、インドネシアの債務支払いコストは投資家心理が急激に変化する深刻なリスクに晒されている。しかし、このリスクは国家負債の長期的動向によって緩和されるだろう。

Risk Outlook: トルコ

投資環境

インドネシアの農業分野は、政府が多くの主食の自給自足の達成を目指していることから、2022年まで年間成長率5.6%を記録すると予測されている。この先数年において、農業分野の成長は主に小麦、パーム油、砂糖の生産に主導されるだろう。

しかし、外国からの支援による投資、特に中国の資金供給を受けた投資は、ウィドド大統領がナショナリストの要求を懐柔しようとすると見られることから、2019年の選挙までの間に争われる政治的問題となるだろう。地場企業が外国の競合企業に対して優先的な扱いを受けるリスクがあり、契約変更のリスクが特に鉱業分野において高くなっている。

しかし、インドネシア政府は1967年以降外国投資家によって所有される財産の収用は行っていない。曼延する汚職により、投資家たちはインドネシアの司法制度の下で契約問題を解決することに苦戦するだろう。インドネシアでの契約執行には高いコストがかかり、世界銀行の推定では要求額の75%近いコストと390日の時間を要するとされている。

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