タンザニア:資源国有化計画がタンザニアの事業環境を悪化させる

14 June 2019

原文: RESOURCE NATIONALISM TO WEAKEN TANZANIA’S BUSINESS ENVIRONMENT

政府が資源国有化計画を追求しているため、タンザニアの事業環境は悪化を続けている。鉱業分野で事業を行う企業は厳しい制限と高い契約リスクに直面するだろう。2019年の選挙に向けて抗議活動が起こる可能性はあるが、ジョン・マグフリ大統領は政治的支配を続けるだろう。

安全保障環境

タンザニアの政治環境はジョン・マグフリ大統領と与党の革命党(CCM)に支配されている。マグフリ氏は近年、徐々に権力を自らの周辺に集中させており、CCMは2019年12月の地方選挙と2020年10月の大統領選挙、立法選挙で優位に立つと見られる。対抗勢力は引き続き弱体であるが、多少の反政府抗議が投票に先立って行われるだろう。反政府抗議は概して小規模で参加者は1,000名以下である。しかし、彼らは安全部隊と衝突し、財物損害や死傷リスクを生み出す結果となる可能性がある。2018年2月の議会補欠選挙の間、見物人の一人が警察の発砲後に殺害された。

地域のモスクで組成されるネットワークがジハード(聖戦主義者)イデオロギーを助長すると認識されているため、タンザニアのテロリスクは徐々に高まっている。スワヒリ語の宣伝資料はしばしばムスリムの差別を強調するように流布され、タンザニアの沿岸地方の共同体間のサポートを生み出すように作成されている。結果として、クリスチャンのコミュニティや安全部隊は沿岸地域での小規模な攻撃の標的になる可能性があるが、外国所有の資産は標的にならないだろう。

貿易環境

マグフリ氏は2020/21会計年度中、国家開発計画を追及しており、政府支出はこの先数年増大し続けるだろう。この計画は世界水準の鉄道や主要港などの重要インフラの開発を目的としている。この支出の結果として、2019年にGDP比3.4%と予測されているように、タンザニアは次の5年間に継続的な財政赤字を記録すると予想されている。しかし、国家信用リスクは同時並行的に行われる、反復的な支出を削減するための努力によって緩和されるだろう。公共部門の給与は「ゴーストワーカー(幽霊労働者)」を排除すべく監査されており、公務員の給与は2016/17会計年度において削減された。タンザニア政府の債務は近年増加しており、2016年のGDP比38%から2019年には同49.4%に到達すると予測されている。しかし公的債務は維持可能な状況である。対外債務の大半は譲与的条件貸付から成っており、為替変動リスクは軽減されている。

政府のインフラ投資は短期的にタンザニア経済を支え、2019年の実質GDP成長率は6.5%になると予測されている。2018年に3.5%であったインフレ率が2019年に5.4%となると予測される反面、消費意欲の高さもまた成長の一助となるだろう。タンザニアは2018年の豊作によって潤っており、タンザニア国民の大多数が農業に従事することから多くの家庭が電力を購入することを後押しするだろう。しかし事業環境の悪化が外国直接投資を抑制すると見られることから、長期的な見通しはより厳しい。

投資環境

マグフリ氏は鉱業分野においてのタンザニア政府と外国投資家の関係を損なう資源国有主義戦略を継続している。2017年7月、2010年鉱業法に多くの修正が加えられた。これらの修正には、国会に協定の見直しや再交渉を行う広範囲の権限を付与すること、未精製鉱物の輸出の即時禁止、国際調停権の撤廃、鉱山使用料の引き上げ、鉱業企業への自国関与の要求の強化などが含まれる。2018年1月には、現地調達率を上昇させ、外国投資家がタンザニアの国営銀行に口座を持つことを要求する更なる規制が導入された。現政権はまた、鉱業分野の契約を変更もしくは取り消す意思を示している。マグフリ氏は2018年12月にウィリアムソンダイヤモンド鉱山のPetra Diamondsに属する契約を見直すよう命令したと発表し、また2018年3月にはマニャラ湖国立保護区の13の鉱業企業へのライセンスが取り消された。タンザニア政府は、国内の金生産が深刻に減少している国内最大の鉱業企業であるAcacia Mining の1900億ドル以上の税請求に関する長期に亘る論争に巻き込まれている。2019年1月には、政府はNorth Mara鉱山の環境破壊を理由に同社への13万ドルの罰金を課した。

タンザニア:資源国有化計画がタンザニアの事業環境を悪化させる