モザンビークの国家信用リスクが高まっている

01 July 2019

原文: SOVEREIGN CREDIT RISKS REMAIN ELEVATED IN MOZAMBIQUE

 

政府は2023年償還期限のユーロ債の再構成に取り組んでいるが、2019年のモザンビークの国家信用リスクは高いままとなるだろう。長期的見通しにおいて、液化天然ガス(LNG)生産は債務状況を改善させると見られる。石油、ガス事業が直接的な標的にはならないにせよ、Cabo Delgadでのテロリスクは続くだろう。

安全保障環境

モザンビークは北部のCabo Delgado州にリスクが集中しており、イスラム過激派による突発的な脅威に直面している。201710月から201812月の間に少なくとも20の攻撃が記録されており、57名の非戦闘員が死亡した。しかし現地報道によると280名近くが殺害されたとされている。攻撃はまず安全部隊や地域住民を標的にしており、刃物や火器を使用しているが能力そのものは低い。西洋の商業資産は引き続き意欲的な標的であるが、適切な安全対策を有する陸上の石油、ガス資源が直接的な影響を受ける可能性は低い。敵対する政党兼反逆グループのモザンビーク民族抵抗運動(Resistência Nacional Moçambicana ,Renamo)による無期限の停戦が発表された20175月以降、モザンビークにおける内乱のリスクは減少している。201810月、モザンビークは10年間で初めてRenomoが参加した平和的な選挙を実施した。Renamoが政権政党のモザンビーク解放戦線を結果の改ざんしたり和平会談を停止したとして告発した一方、Renamoは停戦協定を破らなかった。Renamoは現在約1000名の兵士と限られた兵器しか持っておらず、政府と戦うための軍事能力を欠いている。10月の選挙の成功はまた、最終的な平和協定が201910月の総選挙の前に到達されるための道ならしとなるだろう。Renamoは特に権威委譲に関して譲歩を引き出すために会談から離脱するとの脅迫を続けるとみられるが、全面紛争に戻るとは見られない。

貿易環境

モザンビークの経済成長は2019年に加速し、2018年の3.5%から3.9%に到達すると予測されている。個人消費は実質GDP成長率の推進力となり、2019年のインフレ率は平均7.5%に緩和されると予測されている。しかし、限られた借り入れ能力が民間の需要や投資の重荷となるだろう。外部からの資金援助は2016年の債務スキャンダル以降絶たれており、政府の国内銀行からの借り入れは民間部門や家計を締め出している。金融緩和にも関わらず、借入能力の劇的改善は遅々として実現せず、実質GDP成長率は2006年から2015年の間に見られた年平均7.3%に満たない状況となろう。

2016年以降、モザンビークは14億ドルの未公開の追加債務が発覚し、これを契機に国債の債務不履行に至ったため、債務危機と苦闘している。201811月、モザンビークは2023年償還期限のユーロ債の再構成を行うために債権者の大多数と協定を結んだ。この協定は議会未承認であるが、モザンビークは2033年に満期になる9億ドルの新たなユーロ債を発行することとなるだろう。債権者はまた2つの沿岸ガス事業による今後のガス生産の歳入の5%を受け取るとみられる。

この協定の反面、国家が支援するモザンビーク・アセット・マネジメントへの53500万ドルの債務の再構成とProlndicus62200万ドルのファシリティに関して殆ど進展が無いことから、短期的には国家信用リスクは高いままとなるだろう。これによりIMFやその他の提供者による財政支援の更新は阻害されるであろうし、2019年の財政赤字がGDP6.7%と高いままになることが確実視されている。長期的な見通しにおいては、2022年に開始が予定されているLNG生産が債務状況を強く支えることになるだろう。2017年にGDP102.1%であった政府負債は2023年から2027年の間に平均58%へ減少すると予測されている。

投資環境  

2019年には、モザンビークの固定資本投資は増大すると見られている。建設分野は価値ベースで7%増大すると予測されており、2017年の12.4%への縮小からの回復を見せるだろう。モザンビークの殆どの投資は、輸出施設の整備を目的とする短期的な事業を伴う石炭分野とLNG産業に向けられるだろう。これらの分野は外国企業に支配されており、それらは国内企業のような財政的圧力にさらされていない。2018年12月Mozambican federation of Contractorsは、政府が請負業者への支払いを出来ないことにより、国内の建設業者の90%が破産状態にあると指摘した。Eni, Mota Engil, DPWorldやChina Machinery Engineering Corporation は全て、Maputo港ドック近代化、Eni洋上LNG基地, Chitima-Macuse鉄道プロジェクトなどのモザンビークでの事業に参加している。