【M&A】タックス保険

25 July 2018

タックス保険とは?

タックス保険は、被保険者の税務処理が税務当局から異議申し⽴てを受け財務的な損失を被った際に、その損失を補償する。

タックス保険を利⽤することで、M&Aに関わる税務リスクを移転することができる。例えば、セラー側は特別補償のバックアップとして、バイヤー側は税⾦に関する特別補償に対してセラーが応じない場合に、活⽤が可能である。

さらに同保険は、M&Aやその他のトランザクション以外でも利⽤することができ、過去の課税⾒解に関連するリスクの軽減、または排除のために活⽤されることもある。また、企業組織再編に関連した税務リスクについても、適⽤が可能である。

移転が可能な税務リスクの例

保険⾦支払いの対象となる税務処理の例は以下の通り:

- 企業再編により連結対象から外れた場合の税額控除
- 移転価格に関する税務⾒解
- 有⼒株主および配当に関する税務上の優遇措置
- 外国法人に対する課税の根拠、居住者判定
- 付加価値税 (VAT) に関わるリスク
- 租税条約の問題
- 利⼦・配当・印税の源泉課税方式
- その他低度または低中度のリスクと考えられる税務問題

主な補償対象および補償条件

本保険で通常10年間の補償対象となるのは以下の通り:
- 税務上の債務
- 異議申し⽴て費⽤・争訟費⽤
- 利息
- 罰⾦
- グロスアップ計算

本保険は、⼿続き上のリスクというより、解釈上のリスクを補償するために設計された保険である。

そのため、本保険は税務上の優遇措置を受ける為に⾏う⼿続き誤りがあった結果、ストラクチャーが正しく機能しなくなるような損害に対しては、補償の提供は⾏わない。同様の理由から、保
険会社はバリュエーションや開示⼿続きに大きく関わる税務リスクの引き受けには、消極的である。

免責はリスクごとに異なるが、標準的な免責事項には、(1) 表明または文書におけるあらゆる重要な誤り、省略、誤解を⽣じさせる表示、虚偽の表示、(2) 被保険者が保険契約上の被保険
者の義務を遵守しなかったことにより⽣じる損害、(3) 法律の改正、(4) 詐欺などがある。

保険料⽔準およびその設定基準

保険会社が保険料および保険引受可否を判断する基準は以下の通り:

- 懸念点に関する専門家の意⾒・税務アドバイによるDDの説得⼒
- 税務当局より否認される可能性と、異議申し⽴ての成功確率
- 否認された場合の税務上の債務の大きさ
- 税務当局の課税姿勢
- 保険を活⽤することへのニーズの度合い

⼀般的な保険料率2%〜8%に保険料税などが加算される。

プロセス

JLT M&A チームが保険会社と交渉を⾏い、最適な補償を適正な価格で提供するために必要となるプロセスは以下の通り:

タックス保険

保険会社は通常、概算⾒積もりを準備するのに3〜4日を要する。保険会社が選定されると次に法的な書類審査が⾏われる。ここでは、保険会社が選任した法律事務所が、
提示された書類を独⾃に審査する。審査にかかる費⽤は財務処理の複雑性、 支配法、およびその当該分野における保険会社の経験値により異なる。

引き受け審査に関わる平均的な費⽤は150万円〜300万円程度で、保険会社により当該費⽤は保険料の中に含まれる場合、保険料に追加で請求される場合と、当該費⽤の取り扱い方法は二通りある。審査完了後、保険会社により最終条件が提示される。ここまでの全プロセスにかかる期間はディールごとに異なるが、通常2〜3週間程度である。

タックス保険 ファクトシート

 

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